モラルライセンシングとは?
もらるらいせんしんぐ
モラルライセンシングとは、過去に善い行いをしたという意識が、その後の非道徳的な行動を許してしまう心理現象のことです。
モラルライセンシング(moral licensing)とは、過去に道徳的・社会的に望ましい行動をとったという感覚が、その後の非道徳的・利己的な行動を心理的に許可してしまう現象です。「道徳的免許」とも訳されます。
この現象のメカニズムは、自己イメージの維持と関係しています。人は「自分は良い人間だ」という自己概念を守ろうとします。善行を行うことでこの「道徳的な自己」の貯蓄(クレジット)が積まれ、その後多少の悪い行いをしても「トータルでは良い人間」だという認識を維持できると無意識に計算してしまうのです。
実験研究では以下のような例が示されています。
- 環境にやさしい製品を購入した後、寄付や慈善行動を控えやすくなる
- 過去に差別的でない行動をとったと意識すると、その後の差別的な判断が増える
- 健康的な食事をした後、運動をさぼりやすくなる
モラルライセンシングは、持続的な善行や社会的責任を妨げる心理バイアスとして注目されています。ダイエット・環境行動・職場の公正性など、継続的な実践が求められる場面での障壁となりうるため、意識的に注意することが推奨されます。なお、同様の文脈で「道徳的バランシング」という関連概念も議論されます。
使い方・例文
「週に一度ジムに通っただけで、その週は食事に気を遣わなくなってしまうのは、モラルライセンシングが働いている典型例です。」
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