メルカプトプリンとは?
めるかぷとぷりん
メルカプトプリンとは、白血病などの治療に用いられる抗腫瘍薬(代謝拮抗剤)です。
メルカプトプリン(6-mercaptopurine、略称6-MP)は、プリン塩基の構造類似体として設計された代謝拮抗型の抗腫瘍薬です。プリン合成経路を阻害することで、がん細胞のDNA合成を妨げ増殖を抑制します。ジョージ・ヒッチングスとガートルード・エリオンによって開発され、この成果はのちにノーベル生理学・医学賞(1988年)につながりました。
メルカプトプリンは体内で活性型に変換(チオグアニンヌクレオチドなど)されてはじめて薬効を発揮します。主な作用機序は以下のとおりです。
- プリンヌクレオチドのde novo合成を阻害する
- DNA・RNAの構成材料となる核酸の生産を妨げる
- 細胞分裂の盛んながん細胞を選択的に障害する
主な適応症は急性リンパ性白血病(ALL)の維持療法で、小児白血病治療プロトコルにおいて長年使用されてきた薬剤です。また、炎症性腸疾患(クローン病・潰瘍性大腸炎)の免疫抑制療法にも用いられます。
代謝にはチオプリンメチルトランスフェラーゼ(TPMT)が関与しており、遺伝的にTPMTが低活性な患者では骨髄抑制などの副作用が強く出るため、投与前の遺伝子検査が推奨されることがあります。副作用として悪心・嘔吐・肝機能障害・骨髄抑制などが知られており、定期的な血液検査が必要です。
使い方・例文
急性リンパ性白血病の小児患者が寛解導入療法後の維持期に入ると、メルカプトプリンが毎日経口投与され、再発を防ぐための長期治療が続けられます。
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