メゾチントとは?
めぞちんと
メゾチントとは、銅版に細かな傷を付けた後に磨き出して明暗を表現する凹版印刷技法で、独特のビロードのような深い黒と滑らかなグラデーションが特徴です。
メゾチント(mezzotint)は、17世紀中頃にヨーロッパで発展した銅版画の技法のひとつで、「半色調」を意味するイタリア語・フランス語が語源です。日本では「黒法師」または「マニエール・ノワール(黒の技法)」とも呼ばれます。
制作工程の大きな特徴は「暗部から光部へ」という逆転の発想にあります。まずロッカーと呼ばれる半円形の歯状工具で銅版の全面に無数の細かい傷(バーリング)を均一に付けます。この状態でインクを乗せると全面が黒く印刷されます。次に、スクレーパーやバニッシャーという工具で傷を削り取ったり磨いたりすることで、光を表現します。完全に磨き出した部分は白く、傷が残る部分は黒く印刷されるため、光の加減を精密にコントロールできます。
メゾチントの魅力は次の点にあります。
- エッチングやエングレービングでは難しい、ビロードのような深く柔らかな黒の表現
- 境界線のない滑らかなグラデーション
- 光と影の劇的なコントラスト
17〜18世紀のイギリスやオランダで肖像画の複製技法として広く使われ、「イギリスの技法」とも称されました。現代では版画の一形式として芸術家に継承されており、日本の現代作家の活躍も国際的に注目されています。
使い方・例文
「夜の静寂を表現するためにメゾチントで作品を制作した」「美術館でレンブラントの肖像画を複製したメゾチント版画を鑑賞した」のように使います。
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