ミオシンとは?
みおしん
ミオシンとは、アクチンと相互作用してATPのエネルギーを利用し、筋収縮や細胞内輸送などの力学的な運動を生み出すモータータンパク質です。
ミオシンは生体内における主要な分子モーターのひとつで、18以上のクラス(ミオシンI〜XVIII)が知られています。最もよく研究されているのは骨格筋に豊富なミオシンIIで、重鎖2本と軽鎖4本から構成される六量体です。頭部・頸部・尾部からなる構造を持ち、頭部がアクチンへの結合部位とATP加水分解の触媒部位を兼ね備えています。
筋収縮は次のクロスブリッジサイクルで説明されます。
- ミオシン頭部がATPを結合して構造変化し、アクチン親和性が高まる
- アクチンフィラメントに結合(クロスブリッジ形成)
- ATPがADP+Piに加水分解され、頭部が首振り運動(パワーストローク)を行い、アクチンを約5〜10nm引き寄せる
- 新たなATPが結合するとミオシンがアクチンから解離し、サイクルが繰り返される
骨格筋や心筋の収縮はミオシンIIによるアクチン-ミオシン相互作用が基本ですが、非筋ミオシンII(NMII)は細胞分裂・細胞移動・形態変化にも関わります。ミオシンV・VIは小胞やオルガネラを細胞内で輸送する役割を担います。ミオシン機能の異常は肥大型心筋症や聴覚障害(ミオシンVIIaの変異による)などの遺伝疾患に関わることが知られています。
使い方・例文
重い荷物を持ち上げるときに腕の筋肉がふくらむのは、ミオシンが無数のクロスブリッジサイクルを高速で繰り返し、アクチンフィラメントを引き寄せることで筋繊維全体が短縮するためです。
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