ポール・ディラックとは?
ぽーる・でぃらっく
ポール・ディラックとは、反物質の存在を理論的に予言したイギリスの理論物理学者です。
ポール・エイドリアン・モーリス・ディラック(Paul Adrien Maurice Dirac、1902〜1984)は、20世紀を代表するイギリスの理論物理学者で、量子力学と特殊相対性理論を統合した「ディラック方程式」の提唱者として知られています。
1928年に発表されたディラック方程式は、電子のような素粒子の運動を量子力学と相対性理論の両方に矛盾しない形で記述することに成功しました。この方程式の解を分析する過程で、電子と同じ質量を持ちながら正の電荷を帯びた粒子の存在が理論的に示唆されました。これが「反物質」、具体的には「陽電子(ポジトロン)」の理論的予言であり、1932年にカール・アンダーソンによって実験的に発見されて予言の正しさが証明されました。
この業績により、ディラックはエルヴィン・シュレーディンガーとともに1933年のノーベル物理学賞を受賞しています。彼はまた、フェルミ粒子の統計理論(フェルミ・ディラック統計)にも貢献するなど、量子力学の数学的基礎を築いた先駆者の一人です。
口数が少なく内省的な性格でも知られ、物理学者の間では「ディラック」が「1時間に1単語しか話さない」という非公式な単位として冗談交じりに使われたという逸話も残っています。
使い方・例文
素粒子物理学の教科書でディラック方程式を学ぶ際、その解として「負エネルギー解」が現れることが反物質概念の出発点として紹介されます。
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