ディラック方程式とは?
でぃらっくほうていしき
ディラック方程式とは、電子などのスピン1/2粒子の相対論的量子力学的な運動を記述する基礎方程式です。
ディラック方程式(Dirac equation)とは、1928年にポール・ディラックが導いた、相対性理論と量子力学を統合した形で電子(スピン1/2のフェルミオン)の運動を記述する方程式です。ディラックはこの業績により1933年にノーベル物理学賞を受賞しました。
それまでの量子力学の基礎方程式であるシュレーディンガー方程式は非相対論的なもので、光速に近い速度で運動する粒子の記述には不十分でした。ディラック方程式はローレンツ共変性(特殊相対性理論との整合性)を満たしながら、電子のスピンと磁気モーメントを自然に導き出せる点で画期的でした。
ディラック方程式の主な成果と意義は次のとおりです。
- 電子のスピン(1/2)が方程式から自然に導かれる(仮定なしに
- 負エネルギー解の存在から反粒子(陽電子)の存在を予言した
- 水素原子のエネルギー準位をより精度高く説明できる
- 量子電磁力学(QED)の理論的基盤を提供した
陽電子は1932年にアンダーソンによって実験的に発見され、ディラック方程式の予言が確認されました。ディラック方程式は現代素粒子物理学・場の量子論の礎となっています。
使い方・例文
粒子加速器で電子と陽電子を衝突させる実験や、PET(陽電子放射断層撮影)検査は、ディラック方程式が予言した反粒子の存在を応用した技術です。ディラック方程式なしには現代の素粒子物理学は成立しません。
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