ベイズ因子とは?
べいずいんし
ベイズ因子とは、2つの統計モデルや仮説を比較する際に用いる指標で、観測データがどちらの仮説をどれだけ強く支持しているかを比率で表したものです。
ベイズ因子(Bayes Factor、BF)は、ベイズ統計学における仮説検定の中心的な概念で、2つの競合する仮説H₁とH₀のどちらがデータをよりうまく説明するかを定量的に比較するための指標です。1935年頃にハロルド・ジェフリーズが体系化し、以降ベイズ推論の重要な道具として発展してきました。
ベイズ因子BF₁₀は次のように定義されます。「仮説H₁のもとでデータが観測される確率(周辺尤度)」を「仮説H₀のもとでデータが観測される確率」で割った値です。BF₁₀が1より大きければH₁を支持し、1より小さければH₀を支持することを意味します。
ジェフリーズの解釈基準(目安)では次のように評価します。
- BF₁₀が1〜3:証拠が弱い(Anecdotal)
- BF₁₀が3〜10:中程度の証拠(Moderate)
- BF₁₀が10〜30:強い証拠(Strong)
- BF₁₀が30以上:非常に強い証拠(Very strong / Extreme)
ベイズ因子の利点は、従来のp値と異なり「H₀が真である」という仮説の支持度も定量化できる点です。p値は帰無仮説を棄却する確率しか示せませんが、ベイズ因子はどちらの仮説が相対的に優れているかを連続値で表します。心理学や医学の研究で再現性問題が注目される中、p値に頼らない柔軟な仮説比較手法として注目されています。
使い方・例文
新薬の効果を検証する臨床試験で「効果あり仮説」と「効果なし仮説」をベイズ因子で比較し、BF₁₀=15であれば「効果ありを強く支持するエビデンス」と解釈して判断する場面で用いられます。
この用語をシェア
最終更新: