フアナ1世 (カスティーリャ女王)とは?
「ふあないっせい」(かすてぃーりゃじょおう)
フアナ1世とは、16世紀スペインのカスティーリャ女王で、夫の死後に精神的混乱をきたし「狂女フアナ」とも呼ばれた悲劇的な生涯を送った君主です。
フアナ1世(Juana I, 1479〜1555年)は、カスティーリャ女王イサベル1世とアラゴン王フェルナンド2世の娘として生まれ、スペイン統一王権の正統な後継者でした。教育を十分に受け聡明であったとされますが、その生涯は波乱に富んでいます。
1496年、神聖ローマ皇帝マクシミリアン1世の息子フィリップ(美公フィリップ)と政略結婚しました。フアナはフィリップに強く傾倒し、夫の浮気に激しく嫉妬するなど感情的な不安定さが目立ちました。1504年に母イサベル1世が死去するとカスティーリャ女王となりましたが、父フェルナンドや夫フィリップが実権を握り続けました。
1506年にフィリップが急死すると、フアナの精神状態はさらに悪化したとされ、夫の遺体を連れて各地を彷徨ったという逸話が残ります。父フェルナンドはフアナを「狂気」として統治能力なしと宣言し、トルデシリャスの城に幽閉しました。その後、息子カルロス1世(神聖ローマ皇帝カール5世)が即位しても、フアナは名目上の女王のまま約40年間を城内で過ごし、1555年に76歳で死去しました。
現代では、彼女の「狂気」が本当の精神疾患だったのか、権力闘争の犠牲になった女性への政治的なレッテルだったのかが議論されています。「狂女フアナ」は文学・絵画・映画など多くの芸術作品の題材となっています。
使い方・例文
「フアナ1世は名目上の女王でありながら、実権を握ることなく生涯を幽閉のうちに終えた」のように、スペイン王室史や近世ヨーロッパの女性君主を語る場面で登場します。
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