ファントホッフの法則とは?
ふぁんとほっふのほうそく
「法則」の用語まとめを見るファントホッフの法則とは、希薄溶液の浸透圧が溶質の濃度と絶対温度に比例するという化学の基本法則です。
ファントホッフの法則は、オランダの化学者ヤコブス・ヘンリクス・ファントホッフが1885年に提唱した、希薄溶液の浸透圧に関する法則です。浸透圧をΠ、溶質のモル濃度をc、気体定数をR、絶対温度をTとすると、Π=cRT という関係が成り立ちます。この式は理想気体の状態方程式と同じ形をしており、「溶液中の溶質粒子は気体分子と同様にふるまう」という考え方が根底にあります。
浸透圧とは、半透膜を隔てた濃度の異なる溶液の間で、溶媒が薄い側から濃い側へ移動しようとする圧力のことです。ファントホッフの法則によれば、この圧力は溶質の種類によらず、溶質粒子の数(濃度)と温度にのみ依存します。
この法則は以下のような場面で活用されます。
- 細胞の浸透圧調節のメカニズム解明
- 分子量未知の高分子化合物の分子量測定
- 海水淡水化における逆浸透膜技術の設計
- 生理食塩水など医療用溶液の濃度管理
ファントホッフはこの業績などにより、1901年に第1回ノーベル化学賞を受賞しました。現代の膜技術や生命科学においても、浸透圧の定量的な理解はなくてはならない基礎知識となっています。
使い方・例文
たとえば、赤血球を低張液(浸透圧が血液より低い溶液)に入れると、ファントホッフの法則に従って細胞外から水が流入し、細胞が膨張・破裂する溶血現象が起こります。生理食塩水の濃度設定はこの法則を根拠にしています。
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