ファズィル・イスカンデルとは?
ふぁずぃるいすかんでる
ファズィル・イスカンデルは、アブハジアを舞台にした風刺と叙情の融合する作品で知られるソ連・ロシアの作家です。
ファズィル・イスカンデル(Fazil Iskander)は1929年ソビエト連邦アブハジア自治共和国(現ジョージア)のスフミ生まれ、2016年に没したロシア語作家です。アブハジア系の出自を持ちながらモスクワで活動し、ロシア語で多くの作品を残しました。
代表的な作品群は「チェゲム村のサンドロ」(Сандро из Чегема)シリーズで、架空のアブハジアの村チェゲムを舞台に、主人公サンドロとその家族・村人たちの物語を連作短編の形式で描きました。ソ連体制下の矛盾を笑いと哀愁で包んだ風刺的筆致が特徴で、検閲をかいくぐりながら出版されました。
イスカンデルの文学の特徴は以下のとおりです。
- コーカサスの伝承・自然・人情を背景にした豊かな物語性
- 権威主義・官僚制・スターリン時代への間接的批判
- ユーモアと哲学的洞察が共存する独自のスタイル
- 少数民族の視点からロシア・ソ連の歴史を相対化
ソ連時代にはサミズダート(地下出版)でも流通し、知識人の間で広く読まれました。ロシア語圏以外での知名度は限られますが、20世紀コーカサス文学・ロシア文学において独自の位置を占める重要な作家です。
使い方・例文
「ソ連時代のコーカサス地方の暮らしや体制の矛盾を知りたいとき、ファズィル・イスカンデルの「チェゲム村のサンドロ」は穏やかなユーモアとともに深い洞察を提供してくれます。」
この用語をシェア
最終更新: