ハーディー・ワインベルク平衡とは?
はーでぃーわいんべるくへいこう
ハーディー・ワインベルク平衡とは、理想的な大集団において自然選択や突然変異などが働かない場合、対立遺伝子の頻度が世代を超えて一定に保たれるという遺伝学の原理です。
ハーディー・ワインベルク平衡(Hardy-Weinberg equilibrium)は、集団遺伝学の基礎となる法則で、1908年にイギリスの数学者G・H・ハーディーとドイツの医師W・ワインベルクが独立に提唱しました。
この法則は「一定の条件下では、有性生殖する集団における対立遺伝子の頻度は世代が変わっても変化しない」と述べます。具体的には、対立遺伝子Aの頻度をp、aの頻度をqとすると(p+q=1)、次世代の遺伝子型頻度はAA:p²、Aa:2pq、aa:q²となり、この比率は以降の世代でも維持されます(p²+2pq+q²=1)。
この平衡が成立するための理想的条件は次のとおりです。
- 集団が十分に大きく、遺伝的浮動が無視できる
- 交配がランダムに行われる(非選好交配)
- 自然選択が働いていない(すべての遺伝子型の適応度が同等)
- 突然変異・移住(遺伝子流動)・遺伝的浮動がない
現実の集団がこの平衡から外れているとき、進化が進行している証拠となります。そのため、ハーディー・ワインベルク平衡は「進化が起きていないことの基準点(帰無仮説)」として機能し、集団が選択や浮動にさらされているかどうかを検定するツールとして広く用いられています。医学的には、特定遺伝病の保因者頻度の推定にも応用されます。
使い方・例文
ある集団でaa(劣性ホモ)の遺伝子型を持つ人の割合が1%と分かれば、ハーディー・ワインベルクの式からq²=0.01→q=0.1、保因者(Aa)の頻度は2pq=0.18(約18%)と推定できます。
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