ノイエ・ザッハリヒカイトとは?
のいえ・ざっはりひかいと
ノイエ・ザッハリヒカイトとは、1920年代ドイツで興った写実的な芸術運動で、表現主義の主観性に反発し、冷静で客観的な視点で現実社会を描くことを目指しました。
ノイエ・ザッハリヒカイト(Neue Sachlichkeit、ドイツ語で「新即物主義」または「新客観主義」と訳される)は、1920年代ドイツのワイマール共和国時代に台頭した写実主義的な芸術・文化運動です。第一次世界大戦後の社会的混乱と幻滅を背景に、感情的・幻想的だった表現主義(エクスプレッショニスム)への反動として生まれました。
この運動の名称は、美術評論家グスタフ・ハルトラウプが1925年にマンハイムで企画した展覧会のタイトル「新即物主義」に由来します。画家のオットー・ディックス、ゲオルク・グロッス、マックス・ベックマンらが代表的な作家とされています。
ノイエ・ザッハリヒカイトの主な特徴は以下の通りです。
- 感情を排した冷徹・客観的な視点で現実を描写する
- 戦争・貧困・売春・政治的腐敗など社会の暗部を直截に描く
- 輪郭線を明確にした硬質でシャープな描写スタイル
- 風刺と批判的リアリズムの精神
絵画のみならず写真・映画・文学・建築にも影響が及び、バウハウスの機能主義とも親和性を持ちました。しかし1933年にナチス政権が成立すると「退廃芸術」として弾圧され、多くの芸術家が亡命を余儀なくされ、運動は終焉を迎えました。その批判的・社会的なリアリズムの精神は戦後の芸術にも影響を与え続けています。
使い方・例文
美術史の講義で「ワイマール共和国の社会問題を描いた絵画」として紹介されます。オットー・ディックスの戦場や障害を持つ帰還兵を描いた作品が代表例として挙げられることが多いです。
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