ヌール・ジャハーンとは?
ぬーるじゃはーん
ヌール・ジャハーンとは、17世紀のムガル帝国で絶大な政治的権力を握った女性で、皇帝ジャハーンギールの正妃として事実上の帝国統治を担いました。
ヌール・ジャハーン(1577〜1645年)は、ムガル帝国第4代皇帝ジャハーンギールの第20番目の妃であり、インド史上最も権力を持った女性の一人です。ペルシア系の家柄に生まれ、1611年に皇帝の寵愛を受けて入宮し、皇后の地位に就きました。
ジャハーンギールがアヘン・アルコールに耽溺して政務への関心を失うにつれ、ヌール・ジャハーンが実権を掌握していきました。彼女は硬貨に自らの名を刻ませ、皇帝の印璽を使う権限を持ち、国政の最高意思決定に直接関与しました。これはムガル帝国で女性が得た前例のない権力でした。
政治面だけでなく文化・芸術の後援者としても名声を博しました。建築や庭園の設計にも才能を発揮し、父の墓廟「イティマードッダウラ廟」を建設しましたが、これは後のタージ・マハルの先駆けとなった白大理石の精緻な建物です。ファッションや工芸品の意匠でも時代の流行を牽引し、「ヌール・ジャハーン様式」と呼ばれる装飾が宮廷に広まりました。
ジャハーンギールの死後、権力闘争に敗れて政治の表舞台から退きましたが、その波乱の生涯と功績はムガル時代の宮廷史を語る上で欠かせません。
使い方・例文
ムガル帝国の宮廷政治や女性の歴史を学ぶ場面でヌール・ジャハーンの名が登場します。また建築史や工芸の文脈では、タージ・マハルの前身ともいえるイティマードッダウラ廟の建設者として紹介されます。
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