ナッシュ均衡とは?
なっしゅきんこう
ナッシュ均衡とは、ゲーム理論で複数のプレーヤーが互いの戦略を所与とした場合に、誰も戦略を変えるインセンティブがない状態のことです。
ナッシュ均衡(Nash equilibrium)は、ゲーム理論における基本概念のひとつです。複数の意思決定主体(プレーヤー)がいる状況で、すべてのプレーヤーが相手の戦略を知ったうえで、自分の戦略を変えることで利益を改善できない状態をナッシュ均衡と呼びます。
この概念は数学者ジョン・ナッシュが1950年代に提唱し、ゲーム理論の発展に大きく貢献しました。ナッシュはこの功績により1994年にノーベル経済学賞を受賞しています。
ナッシュ均衡の重要な点は、必ずしも社会全体にとって最善の結果(パレート最適)と一致しないことです。有名な例として「囚人のジレンマ」があります。二人の囚人がそれぞれ自分の利益を最大化しようとした結果、互いに自白するという均衡に陥り、本来より悪い結果になってしまいます。
ナッシュ均衡の応用範囲は幅広く、次のような分野で活用されています。
- 経済学:企業間の価格競争・生産量決定(クールノー均衡など)
- 政治学:選挙における候補者の政策選択
- 国際関係:核抑止や貿易交渉
- 生物学:進化的安定戦略(ESS)の分析
ナッシュ均衡は現実の競争や交渉を分析するための強力な理論的枠組みであり、ビジネス戦略や政策立案の現場でも広く参照されています。
使い方・例文
企業AとBが同時に広告出稿量を決める場面では、どちらも相手が広告を増やすなら自分も増やすのが最善となり、両社が過剰な広告費を投じるナッシュ均衡が生じることがあります。
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