囚人のジレンマとは?
しゅうじんのじれんま
囚人のジレンマは、ゲーム理論の代表的なモデルで、互いに協力すれば全体の利益が最大化されるにもかかわらず、合理的な個人が自己利益を追求すると全員が不利になる状況を示します。
囚人のジレンマ(Prisoner's Dilemma)は、ゲーム理論における最も有名な思考実験の一つです。1950年代にランド研究所のメリル・フラッドとメルビン・ドレッシャーが考案し、後にアルバート・タッカーが「囚人」の設定に当てはめて広めました。
基本的な設定は次のようなものです。二人の容疑者が別々の部屋で取り調べを受けており、互いに連絡が取れない状況に置かれています。それぞれが「黙秘(協力)」か「自白(裏切り)」を選択できます。
- 両者とも黙秘した場合:両者ともに軽い罰(例:懲役1年)
- 一方が自白・他方が黙秘した場合:自白した者は釈放、黙秘した者は重い罰(例:懲役5年)
- 両者とも自白した場合:両者ともに中程度の罰(例:懲役3年)
この状況で各個人が合理的に自己利益を最大化しようとすると、相手の行動に関係なく「自白」が支配戦略になります。その結果、両者とも自白して互いに中程度の罰を受けるナッシュ均衡に落ち着きますが、これは両者が協力(黙秘)する場合より悪い結果です。
囚人のジレンマは、核軍縮・環境保護・価格競争・公共財の供給など、現実の社会問題の本質を説明するモデルとして幅広く応用されています。繰り返しゲームでは「目には目を(Tit for Tat)」戦略など、協力を促すメカニズムの研究にもつながっています。
使い方・例文
企業間の価格競争で互いに値下げを続けて業界全体が疲弊する状況や、環境問題で各国が規制を避けて温室効果ガスを排出し続ける問題も、囚人のジレンマの現実的な例として説明されます。
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