ナザレ派とは?
なざれは
ナザレ派とは、19世紀初頭にドイツ語圏の画家たちがロマン主義の影響のもとで結成した芸術運動で、中世の宗教絵画の精神と技法の復興を目指しました。
ナザレ派(Nazarener)とは、19世紀初頭のドイツ・オーストリアを中心に活動したロマン主義的な美術運動およびその画家グループです。1809年にウィーンの美術アカデミーの学生たちが結成した「ルカス同盟(Lukasbund)」を母体とし、後にローマのサン・イジドーロ修道院に移り住んで共同生活を送りながら制作活動を続けました。修道士のような長い髪と古風な衣服を身にまとっていたことから「ナザレ派」という皮肉交じりの呼び名が生まれましたが、やがてこの名称が定着しました。
ナザレ派の思想的背景には、当時の啓蒙主義・合理主義への反発とキリスト教精神の復興という時代思潮があります。彼らは15〜16世紀のドイツとイタリアの宗教画、特にラファエロ以前の作品やアルブレヒト・デューラーの様式に強い影響を受けました。純粋・誠実・精神的な芸術を目指し、アカデミーの規則的な様式から解放されることを求めました。
代表的な画家にはフリードリヒ・オーヴァーベック、フランツ・プフォル、ペーター・フォン・コルネリウスらがいます。彼らはフレスコ画の復活にも貢献し、ローマやドイツの壁画制作に携わりました。ナザレ派の活動はイギリスのプレ・ラファエル派にも影響を与えたとされており、19世紀の宗教芸術・歴史画の展開において重要な位置を占めています。
使い方・例文
美術史の授業や展覧会の解説で19世紀のドイツ・ロマン主義絵画を扱うとき、またはプレ・ラファエル派との比較においてナザレ派が登場します。
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