ドゥンス・スコトゥスとは?
どぅんすすことぅす
ドゥンス・スコトゥスとは、中世ヨーロッパのスコラ哲学を代表するフランシスコ会士・神学者で、精緻な形而上学的議論から「精妙博士」と称された人物です。
ヨハネス・ドゥンス・スコトゥス(約1266〜1308年)は、スコットランド出身の哲学者・神学者です。オックスフォード大学とパリ大学で学び、フランシスコ会士として活動しながら、アリストテレス哲学とキリスト教神学を高度に融合させたスコラ哲学の体系を構築しました。その緻密な論理と深い議論の展開ゆえに「精妙博士(Doctor Subtilis)」の称号を与えられています。
スコトゥスの思想で特に重要なのは「個体性(ハエッケイタス)」の概念です。すべての存在がなぜ他とは異なる固有の「このもの性」を持つのかを論じたこの理論は、存在論・形而上学の分野において独自の貢献をなしました。また、神の意志は理性よりも優先されるとする「主意主義」の立場を取り、同時代のトマス・アクィナスの「主知主義」とは対照的な思想体系を展開しました。
さらに「無原罪の御宿り(聖母マリアの原罪なき懐胎)」を神学的に擁護した議論は後世のカトリック神学に大きな影響を与え、1854年の教義定義の遠因ともなっています。スコトゥスの哲学的遺産は以下のように整理できます。
- 個体性を説明するハエッケイタス論
- 神の意志を理性より上位に置く主意主義
- 無原罪の御宿りへの神学的擁護
- 存在の一義性についての形而上学的考察
中世スコラ哲学の三大巨星の一人として、トマス・アクィナスやウィリアム・オッカムとともに今日も研究が続けられています。
使い方・例文
中世哲学・キリスト教神学の授業やテキストで、スコラ哲学の多様な潮流を解説する際にドゥンス・スコトゥスが取り上げられます。
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