チャンドラセカール限界とは?
ちゃんどらせかーるげんかい
チャンドラセカール限界とは、白色矮星が安定して存在できる質量の上限値で、太陽質量の約1.4倍とされています。
チャンドラセカール限界(Chandrasekhar limit)とは、白色矮星が自身の重力に対して電子の縮退圧(量子力学的な反発力)を使って対抗できる質量の限界値のことです。インドの天体物理学者スブラマニアン・チャンドラセカールが1930年代に理論的に導出し、その業績により1983年にノーベル物理学賞を受賞しました。
白色矮星は恒星が赤色巨星の段階を経て外層を失ったあとに残る高密度な天体で、炭素や酸素の原子核と自由電子が詰まった状態です。通常の圧力ではなく「電子縮退圧」で重力と釣り合い、核融合なしで安定を保ちます。しかしこの縮退圧には限界があり、質量が太陽質量の約1.4倍(精密値は約1.44倍)を超えると支えきれなくなります。
この限界を超えた場合の結末は二通り考えられます。
- 連星系で伴星からガスが降着して限界を超えると、Ia型超新星爆発を起こして完全に吹き飛ぶ
- 大質量星のコアが直接崩壊する場合は、中性子星やブラックホールへと変化する
Ia型超新星はチャンドラセカール限界付近で常に同じ明るさで爆発するため、「標準光源」として宇宙の距離測定に使われます。この標準光源を活用した観測が、宇宙の加速膨張とダークエネルギーの発見(1998年、ノーベル賞)につながりました。白色矮星の運命を決定づけるこの限界値は、宇宙論的スケールの研究にも深く関わる重要な概念です。
使い方・例文
チャンドラセカール限界は超新星爆発の研究や宇宙の距離測定で重要な役割を果たし、天文学でブラックホール・中性子星の生成条件を議論するときにも必ず登場する概念です。
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