ストレットとは?
すとれっと
ストレットとは、フーガの作曲技法のひとつで、主題の提示が完全に終わらないうちに別の声部が同じ主題を重ねて入ってくる手法です。
ストレット(Stretto、伊語で「狭い・密な」の意)は、対位法的作曲技法、特にフーガ(フーガ)において用いられる重要な手法です。通常のフーガでは主題(テーマ)が一声部で完全に奏された後に次の声部が応答しますが、ストレットではある声部の主題提示が終わる前に、別の声部が同じ主題を追いかけるように重なって入ってきます。
この技法によって複数の声部が互いに絡み合い、音楽に密度感・緊迫感・興奮をもたらします。声部の間隔(時間差)が短いほど、より「密な」ストレットとなります。
ストレットの主な特徴と使われ方は以下のとおりです。
- フーガの展開部や終盤のクライマックスに向けて使われることが多い
- 声部同士の時間差を次第に縮めていくことで緊張感を高める効果がある
- 主題がどの時間差・声部数で対位できるかは作曲家の技巧の見せどころとなる
- バッハの「フーガの技法」や「平均律クラヴィーア曲集」に典型的な例が多い
またオペラや管弦楽の文脈では、楽曲終盤でテンポを上げ、音楽を加速させる部分を「ストレッタ」と呼ぶこともあります。対位法理論の学習においてストレットは必修の技法のひとつとして扱われます。
使い方・例文
バッハのフーガを分析すると、終盤に向かってストレットが現れ、主題が重なり合うことで音楽のクライマックスが形成されているのがわかります。
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