ジョン・オースティンとは?
じょんおーすてぃん
ジョン・オースティンとは、19世紀イギリスの法学者であり、法律を道徳から分離して主権者の命令として捉える「法実証主義」の基礎を築いた人物です。
ジョン・オースティン(John Austin、1790〜1859年)は、イギリスのサフォーク出身の法学者で、ロンドン大学(現ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)の初代法学教授を務めました。ベンサムの功利主義に影響を受けながら、近代法律哲学(法理学)の基礎を体系化した人物として知られます。
オースティンの最大の貢献は、法律を道徳・宗教・習慣などから明確に区別する「分析法学(法実証主義)」の確立です。彼の主著『法理学の範囲』(1832年)は、法律とは何かについて次のような主張を展開しています。
- 「命令説」:法律とは、強制力(制裁)を背景にした主権者の命令である
- 主権者とは、社会の大多数から習慣的に服従を受けながら自らは他の上位権力に服従しない者(個人または集団)である
- 「実定法」(実際に制定・施行されている法律)と「神の法・道徳」を厳密に区別し、法学の対象は実定法のみとした
- 国際法や慣習法は厳密な意味での「法律」ではなく「実定的道徳」と位置づけた
この法実証主義の立場はH・L・A・ハートによって批判的に継承・発展され、20世紀の英語圏法哲学の主流となっています。一方、オースティンの命令説は「法律と正義・道徳は切り離せない」とする自然法論者からの批判も受け続けており、法哲学の中心的論点として今日も議論されています。
使い方・例文
「法律は道徳と別のものか」「悪法も法か」といった法哲学の入門的議論では、ジョン・オースティンの法実証主義が最初に取り上げられることが多いです。
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