ゴールデンライスとは?
ごーるでんらいす
ゴールデンライスとは、通常の白米にはないβ-カロテン(ビタミンA前駆体)を胚乳部に蓄積するよう遺伝子を導入した品種改良米で、開発途上国のビタミンA欠乏症対策として開発されました。
ゴールデンライス(Golden Rice)とは、水稲(Oryza sativa)の胚乳(白米の部分)にβ-カロテンを生合成させるための遺伝子を組み込んだ遺伝子組換え米です。β-カロテンは体内でビタミンAに変換される物質で、通常の白米にはほとんど含まれていません。β-カロテンを蓄積した胚乳が黄金色になることから「ゴールデンライス」と命名されました。
開発の背景には世界規模の公衆衛生問題があります。ビタミンA欠乏症は開発途上国を中心に年間数十万人の小児失明の原因となっており、子供の死亡率増加とも関連しています。コメを主食とする地域ではビタミンAの摂取が不足しがちなため、主食のコメ自体にビタミンA前駆体を持たせることで欠乏症を改善しようという発想で、スイス連邦工科大学のイング・ポトリクスらが1990年代に開発を開始しました。
ゴールデンライスをめぐる議論は複雑で、次のような賛否があります。
- 賛成側:安全性は科学的に確認済み・既存の農業システムで普及できる・食事改善より確実にビタミンAを届けられる
- 反対側:遺伝子組換え作物への文化的・宗教的拒否感・知的財産権と農家の種子自由の問題・食の多様性の喪失懸念
フィリピンでは一定の承認手続きが進められるなど実用化に向けた動きがある一方、国際的な普及はまだ限定的です。農業バイオテクノロジーの社会的・倫理的な問題を考える上での象徴的な事例として、教育現場でも取り上げられます。
使い方・例文
生命倫理や遺伝子組換え食品の授業で「飢餓・栄養問題と科学技術の関係」を議論する題材として、またビタミンA欠乏症対策の文脈で「ゴールデンライスの普及は進んでいるか?」という問いとともに登場します。
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