ゲノム編集とは?
げのむへんしゅう
ゲノム編集とは、生物のDNA配列を狙った場所で正確に書き換える技術の総称です。
ゲノム編集とは、生命の設計図であるゲノム(DNA全体)の特定の箇所を狙い通りに切断・削除・置換・挿入する技術群のことです。従来の遺伝子組み換え技術と異なり、外来遺伝子を挿入せずに既存の遺伝子を改変できる点が大きな特徴です。
代表的な技術としてCRISPR-Cas9があります。これは2020年にノーベル化学賞を受賞した技術で、細菌の免疫機構を応用したものです。ガイドRNAという分子が目的のDNA配列を探し出し、Cas9というタンパク質(分子ハサミ)がそこを正確に切断します。その後、細胞の修復機構を利用して遺伝子を改変します。従来技術に比べて精度・操作の簡便さ・コストの面で大幅に優れており、生命科学研究に革命をもたらしました。
ゲノム編集の応用分野は広範囲に及びます。
- 医療:遺伝性疾患の治療・がん免疫療法・HIV治療の研究
- 農業:病害虫に強い品種・栄養価を高めた食品の開発
- 基礎研究:遺伝子の機能解明・疾患モデル動物の作製
- 産業:効率的な微生物による有用物質・燃料生産
一方で、ヒト受精卵へのゲノム編集によるデザイナーベビーの問題や、生態系への意図せぬ影響など倫理的・社会的な課題も多く、国際的な規制整備が進められています。日本でもゲノム編集食品の届出制度が設けられ、安全性評価の枠組みが整いつつあります。
使い方・例文
鎌状赤血球症などの遺伝性血液疾患の治療に、患者自身の造血幹細胞のゲノムをCRISPR-Cas9で編集する臨床試験が実施されており、ゲノム編集医療の実用化が進んでいます。
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