クリプトスポリジウムとは?
くりぷとすぽりじうむ
クリプトスポリジウムとは、水道水や川などを介して感染する原虫で、免疫正常者では自然に回復する下痢症を、免疫不全者では重篤な感染症を引き起こします。
クリプトスポリジウム(Cryptosporidium)は、アピコンプレクサ門コクシジウム目に属する単細胞寄生原虫です。ヒトに感染する主な種はC. hominis(ヒト固有)とC. parvum(人獣共通)で、これらが世界中でクリプトスポリジウム症の大部分を占めます。
最大の特徴は、オーシスト(卵のような耐久型)が通常の塩素消毒に対して非常に高い抵抗性をもつ点です。通常の水道水消毒(塩素処理)ではほぼ死滅させられず、紫外線照射や煮沸が有効な除去・不活化手段となります。直径4〜6マイクロメートルと小さいため、ろ過フィルターの性能も重要です。
感染経路は経口感染が主で、汚染された水・食品・患者の糞便との接触などがあります。ヒト・ウシ・その他哺乳動物との間で感染が広がる人獣共通感染症でもあります。感染すると1〜12日の潜伏期を経て、以下の症状が現れます。
- 水様性下痢(1日10回以上になることも)
- 腹痛・腹部けいれん
- 悪心・嘔吐・低熱
免疫正常者では通常2〜3週間で自然回復しますが、HIV感染者・臓器移植後・先天性免疫不全などの免疫不全者では慢性化・全身性に広がり、生命を脅かす場合があります。日本では1996年の神奈川県小田原市での大規模集団感染(約8,000人)が知られています。
使い方・例文
1993年にアメリカのミルウォーキーで上水道が汚染され、約40万人がクリプトスポリジウム症に感染した事例は、水道水の原虫対策の重要性を世界に示した事件です。
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