クリスタ・ヴォルフとは?
くりすたゔぉるふ
クリスタ・ヴォルフは20世紀ドイツ(旧東ドイツ)を代表する女性作家で、個人の内面と社会・歴史との緊張を鋭く描いた作品で知られます。
クリスタ・ヴォルフ(Christa Wolf、1929〜2011年)は、ドイツのランツベルク・アン・デア・ヴァルテ(現ポーランド領)に生まれ、東ドイツで活躍した作家です。ライプツィヒ大学でドイツ文学を学んだ後、編集者・文芸批評家を経て作家活動に入りました。
代表作『引き裂かれた空』(1963年)は東西分断前夜の恋人たちの別れを描き、東西ドイツ双方で高い評価を得た初期の出世作です。続く『クリスタ・T の追想』(1968年)は、亡くなった友人の生と自己実現をめぐる内省的な語りで構成され、社会主義社会における個人のあり方を問う作品として論争を巻き起こしました。
その後も『カッサンドラ』(1983年)でトロイアの予言者の視点から戦争と女性の沈黙を描き、核戦争の脅威が高まっていた当時の西洋文明批判として広く読まれました。東ドイツ崩壊後に発覚した秘密警察シュタージへの協力歴が明るみに出て批判を受けましたが、当時の体制と個人の関係という複雑な問題として論じられ続けています。
ヴォルフの作品は、歴史・神話・個人の記憶を独自の語りで織り交ぜ、ドイツ語文学における女性の声として高く評価されています。
使い方・例文
東西ドイツや冷戦時代の文学を学ぶ授業、あるいはフェミニズム文学・分断の記憶をテーマにした討論でクリスタ・ヴォルフの名前が挙がります。
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