カタルシスとは?
かたるしす
カタルシスとは、文学や芸術体験を通じて感情が解放され、精神的な浄化・すっきりした感覚が得られる心理的作用のことで、古代ギリシャの詩学に由来する概念です。
カタルシス(Catharsis)とは、もともとギリシャ語で「浄化・排出」を意味する言葉です。古代ギリシャの哲学者アリストテレスが著作『詩学』の中で悲劇の効用として用いたことで広く知られるようになりました。悲劇を観ることによって観客の心に恐れと哀れみの感情が呼び起こされ、それが最終的に精神の浄化・解放につながるという考え方です。
カタルシスの概念は時代を経てさまざまな分野に広がっています。
- 文学・演劇:悲劇的な物語の結末において観客・読者が感情的なカタルシスを体験するという芸術論的用法(アリストテレス的意味)
- 精神分析:フロイトやブロイアーが用いた「カタルシス療法(カタルシス法)」。抑圧されたトラウマや感情を言語化・表出させることで症状を緩和する手法
- 日常的用法:映画・音楽・スポーツ観戦などで感情が解放され「すっきりした」「心が軽くなった」と感じる体験全般を指す
現代の心理学では、感情の発散が必ずしも浄化につながるとは限らないとする批判的研究もあります。例えば怒りをぶつける行為(物を壊すなど)が必ずしも怒りを和らげるわけではないという実証研究も存在し、カタルシス仮説の適用範囲には議論があります。
それでもカタルシスという概念は、文学批評・演劇論・心理療法・日常語として幅広く使われており、人間の感情と芸術体験の関係を理解するうえで重要なキーワードであり続けています。
使い方・例文
感動的な映画を観て涙を流した後、心がすっきりと軽くなる感覚はカタルシスの典型例として語られます。また音楽ライブでサビを大合唱した後の爽快感も、カタルシスの一種として表現されることがあります。
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