エスタンピーとは?
えすたんぴー
エスタンピーとは、中世ヨーロッパ(主に13〜14世紀)に流行した器楽・声楽の舞曲形式で、繰り返しの楽節(プンクトゥム)を特徴とする最古級の記譜された器楽曲のひとつです。
エスタンピー(estampie、ラテン語 stantipes)は、中世ヨーロッパで広く親しまれた舞曲・音楽形式です。現存する最古の記譜された器楽曲の一群に含まれており、音楽史上きわめて重要な位置を占めています。
構造的には複数の楽節(プンクトゥム / punctum)から成り、各楽節は「開放終止(ouvert)」と「閉鎖終止(clos)」という2種類のエンディングを持ちます。同じ旋律を繰り返しながら末尾の終止形を変えるこの手法は、現代のポップ音楽のヴァースとコーラスの関係にも通じる反復の美学です。
- 楽節(プンクトゥム)は通常3〜7段ほど
- テンポは活発で、踊りの伴奏として機能した
- フィドル・リュート・ハープなどで演奏された
- イタリア語圏では「イスタンピッタ(istampita)」とも呼ばれた
フランスやイタリアの写本に多くの例が残されており、代表的な写本としてパリ国立図書館所蔵の「フランス国王写本(manuscrit du roi)」が知られています。声楽を伴うものと純粋な器楽曲のものが存在し、吟遊詩人(トルバドゥール・トルヴェール)の文化とも深く結びついていました。
中世音楽の復興を目指す古楽演奏の分野では、エスタンピーは定番のレパートリーとして現代でも演奏・録音され続けています。
使い方・例文
中世ヨーロッパをテーマにした古楽コンサートや歴史的なルネサンスフェアで、フィドルやリュートを使ったエスタンピーの演奏が披露される場面で登場します。
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