アイデンティティ拡散とは?
あいでんてぃてぃかくさん
アイデンティティ拡散とは、自分が何者であるかという感覚が定まらず、自己像がまとまらない状態を指す心理学的概念です。
アイデンティティ拡散(Identity Diffusion)は、発達心理学者エリク・エリクソンが提唱したアイデンティティ形成論を基に整理された概念です。青年期を中心に、自分の価値観・役割・将来像が定まらず、一貫した自己感覚を持てない状態を指します。
エリクソンは青年期の主要な発達課題を「アイデンティティの確立 対 アイデンティティ拡散」と位置づけました。拡散状態にある人は以下のような特徴を示しやすいとされます。
- 職業・価値観・信念についての探索が進まない
- 他者の意見や流行に流されやすく、自分の軸が定まらない
- 将来への不安や虚無感が強い
- 自己像が状況や相手によって大きく変わる
この状態は必ずしも病的ではなく、多くの人が青年期に一時的に経験します。しかし長期化すると、精神科医ジェームズ・マーシアの研究でも示されているように、社会的適応の困難や低い自己肯定感につながる可能性があります。
現代では就職難や価値観の多様化により、青年期以降も拡散状態が続くケースが増えています。カウンセリングや内省を通じてアイデンティティを再構築することが支援の焦点となります。
使い方・例文
「大学を卒業しても自分が何をしたいのかわからない」「どんなグループにいても浮いている感じがする」という感覚は、アイデンティティ拡散の状態として語られることがあります。
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