MCHとは?
えむしーえいち
MCHとは、水素をトルエンと化学反応させて常温常圧で液体状に変換した水素キャリアで、既存の石油インフラを活用した水素輸送を可能にする物質です。
MCH(Methylcyclohexane、メチルシクロヘキサン)とは、水素をトルエン(C₇H₈)と結合させて生成する有機液体の水素キャリアです。化学式はC₇H₁₄で、常温常圧で液体であることが最大の特徴です。
MCHを用いた水素の輸送・利用サイクルは次の2段階で成り立ちます。
- 水素化(水素の吸蔵):水素産地でトルエンと水素を反応させてMCHを生成する。この反応では触媒と適度な加熱が必要。
- 脱水素(水素の取り出し):消費地でMCHを加熱・触媒処理してトルエンと水素に分解し、水素を取り出す。生成されたトルエンは再び水素産地へ戻して再利用する。
MCH方式の利点は、常温常圧で液体を扱えるため既存のタンクローリーや石油タンク、港湾インフラをほぼそのまま流用できる点にあります。液化水素のような極低温設備が不要で、輸送コストや安全管理の面で優位性があります。水素1Lの輸送に必要なエネルギーも比較的低く抑えられます。
課題は脱水素に高温(300℃前後)が必要でエネルギーロスが発生すること、トルエン自体が毒性物質であるため取り扱いに注意が必要なことです。千代田化工建設が主導するSPERA水素プロジェクトが国際的な実証を進めています。
使い方・例文
MCHは常温常圧で液体のため、ブルネイで製造したMCHをタンカーで日本に輸送し、川崎市の実証プラントで水素を取り出してガスタービン発電に利用する実証事業が行われています。
この用語をシェア
最終更新: