黙秘権とは?
もくひけん
黙秘権とは、刑事手続において被疑者・被告人が自己に不利益な供述を強要されない権利のことです。
黙秘権(もくひけん)とは、刑事事件の捜査・裁判において、被疑者(逮捕・捜査中の人)や被告人(起訴された人)が、自己に不利益な供述を拒否できる権利です。日本国憲法第38条第1項に「何人も、自己に不利益な供述を強要されない」と明記されており、刑事訴訟法でも被疑者・被告人に告知される権利として定められています。
黙秘権が保障される理由と背景は次の通りです。
- 拷問や強制による自白の強要を防止するため
- 無実の人が恐怖や心理的圧力で虚偽自白をするリスクを排除するため
- 「自己負罪拒否特権」として、個人の尊厳と公正な裁判を保障するため
- 国家権力による不当な取り調べへの抑止力となるため
黙秘権は「一切黙秘する」完全行使と、特定の質問にのみ答えない部分行使の両方が認められています。警察や検察官は取り調べの前に黙秘権があることを告知する義務があります(いわゆるミランダ警告に相当する手続き)。黙秘を選んだこと自体を有罪の証拠として使うことも許されません。
なお、黙秘権はあくまで「供述」に関する権利であり、血液採取や指紋採取などの身体検査を拒否する権利ではない点に注意が必要です。民主主義国家における適正手続きの保障として、黙秘権は無罪推定の原則とともに刑事司法の根幹をなす権利です。
使い方・例文
警察の取り調べで容疑者が「黙秘します」と述べる場面や、弁護士がドラマや法廷で依頼人に「何も話さなくていい」と助言する場面が、黙秘権の典型的な登場シーンです。
この用語をシェア
最終更新: