面打ちとは?
おもてうち
面打ちとは、能や狂言などの舞台芸術で使用される「能面」を彫刻・制作する伝統工芸技術、またはその職人のことを指します。
面打ち(おもてうち)とは、日本の伝統芸能である能・狂言で使われる木製の仮面「能面(のうめん)」を彫刻によって制作する技術、またはそれを行う職人(面打師)を指します。
能面の素材は主にヒノキが使われます。面打師は木材を選ぶところから始まり、大まかな形を彫り出す「荒彫り」、細部を仕上げる「仕上げ彫り」、下地塗り・彩色・箔押しなどの仕上げ工程を経て1枚の面を完成させます。完成までに数か月を要することも珍しくなく、高い技術と深い審美眼が必要とされます。
能面には多くの種類があり、その表情や特徴によって役柄が決まります。代表的なものには次のようなものがあります。
- 翁(おきな):祝言の場に用いる老人の面
- 般若(はんにゃ):嫉妬や怨念を持つ女性の鬼面
- 小面(こおもて):若い女性を表す美しい面
- 尉(じょう):老人を表す穏やかな面
面打ちは室町時代から始まったとされ、「三作(さんさく)」と称される三人の名工—日若・友閑・赤鶴—が能面制作の基礎を確立したと伝えられています。現代でも人間国宝に指定される面打師がおり、伝統の技を継承しながら各地で活躍しています。
使い方・例文
「この能面は江戸時代の名面打ちによる作で、能の演目『葵上』で使われる般若の面として博物館に所蔵されています」のように用いられます。
この用語をシェア
最終更新: