貿易銀とは?
ぼうえきぎん
貿易銀とは、国際取引において決済手段として用いられた、主に銀を素材とする特定規格の貨幣のことです。
貿易銀とは、国際間の商取引や決済を円滑に行うために鋳造された、銀を主成分とする貨幣の総称です。近世から近代にかけて、アジアや欧米の貿易圏では金や銀が共通の決済手段として広く流通しており、各国が貿易専用の銀貨を発行することがありました。
代表的なものとしては、スペインが植民地のメキシコやペルーで鋳造した「メキシコドル(本洋銀・鷹洋)」があります。この銀貨は東アジア・東南アジア一帯で広く受け入れられ、清朝中国や江戸時代の日本との交易にも利用されました。日本では明治期に、貿易決済専用として「貿易銀」(正式名称:一円銀貨)が明治8年(1875年)に発行されています。この貿易銀は、純銀27匁(約416グラム)を含む品位を持ち、国際標準の銀価値に合わせて設計されました。
貿易銀が重要だった理由は、各国の通貨制度や品位が異なるなかで、共通の「重さと純度」を基準にした銀が信頼できる価値尺度となったからです。しかし、金本位制の普及とともに貿易銀の役割は縮小し、日本の貿易銀も明治30年代には通用停止となりました。貿易銀の歴史は、近代以前のグローバル経済における銀の重要性を示しています。
使い方・例文
「明治期の日本は、アジア貿易の決済に貿易銀を使用したが、金本位制の移行後は流通量が激減した」のように、近代の国際貿易史・貨幣史の文脈で登場します。
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