認知負荷理論とは?
にんちふかりろん
認知負荷理論とは、人間の作業記憶の容量は限られており、学習効果を高めるには情報提示の負荷を適切にコントロールする必要があるという学習科学の理論です。
認知負荷理論(Cognitive Load Theory)は、オーストラリアの教育心理学者ジョン・スウェラーが1980年代に提唱した理論です。人間の作業記憶(ワーキングメモリ)は同時に処理できる情報量に上限があるという認知心理学の知見を学習・教授設計に応用したものです。
理論では、認知負荷を以下の三種類に分類します。
- 内在的負荷(Intrinsic Load):学習内容そのものの複雑さに由来する負荷。内容の難易度によって決まり、直接は変えにくい。
- 外在的負荷(Extraneous Load):不適切な情報提示・教材デザインによって生じる無駄な負荷。教え方を工夫することで削減できる。
- 関連的負荷(Germane Load):スキーマ(知識の枠組み)の形成・自動化に寄与する有益な負荷。学習の質を高める。
良い学習設計とは、外在的負荷を最小化しながら関連的負荷を適度に確保することとされています。たとえば、図と説明文を同じ場所に配置する(分割注意効果の回避)、初心者に冗長な情報を見せない(冗長効果の排除)などの工夫がこの理論に基づいています。
認知負荷理論はeラーニング設計、教科書の構成、プレゼンテーション資料の作り方など、幅広い教育実践に影響を与えており、マルチメディア学習原則(リチャード・メイヤー)とも深く関連しています。
使い方・例文
学校の授業や教材設計の場面でよく登場し、「難しい概念を教えるときは余計な装飾を省き、図と説明を近くに並べる」といった実践指針の根拠として使われます。
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