表現型可塑性とは?
ひょうげんがたかそせい
表現型可塑性とは、同じ遺伝子を持つ生物が環境の変化に応じて異なる形態・行動・生理特性を示す能力のことです。
表現型可塑性(ひょうげんがたかそせい、Phenotypic plasticity)とは、一つの遺伝子型(ゲノム情報)を持つ個体が、異なる環境条件に置かれたときに異なる表現型(実際の形・機能・行動)を示す性質を指します。遺伝子そのものを変えることなく、外部刺激に応じて柔軟に応答できる能力です。
なぜ重要か
環境は常に変動するため、すべての状況に対して別々の遺伝子型を用意することは効率的ではありません。表現型可塑性があれば、一つの遺伝子型のままで幅広い環境に適応できます。これは特に急激な環境変化や季節変動に対して有利な戦略です。
具体的な例
- アゲハチョウの幼虫は若齢では鳥の糞に擬態し、成長するにつれ緑色に変化する(天敵回避の可塑性)
- ヒマラヤ付近の高地植物は低地と同じ種でも葉が小さく厚くなる(UV・乾燥への形態適応)
- サカナの一部は捕食者の匂いを感知すると体型や行動が変化する
- 植物の葉は日当たりの違いによって「陽葉」と「陰葉」に分化する
進化との関係
表現型可塑性は自然選択の標的にもなります。可塑性の高い生物は変動環境への適応で有利ですが、可塑性の維持にはコストも伴います。近年では、気候変動に対する生物の適応戦略を理解する上でも注目される概念です。
使い方・例文
同じ品種のヒマワリでも、水分量の多い土壌と乾燥した土壌に植えると茎の太さや葉の面積が変わる現象が、表現型可塑性の身近な例として挙げられます。
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