自筆本とは?
じひつほん
自筆本とは、著者または筆者本人が直接手で書き記した写本・原稿のことで、写字生による写本と区別して用いられます。
自筆本(じひつほん)とは、テキストの著者や原作者が自らの手で書き記した原稿・写本を指す書誌学・文献学上の用語です。他者が書き写した「写本(転写本)」と区別するために使われます。
- 資料の信頼性:著者が直接書いたため、誤写や脱落が少なく、意図した内容に最も近いとされる
- 異同の確認:複数の写本との比較により、テキストの変遷や改稿の痕跡を確認できる
- 筆跡研究:筆跡から著者の特定、成立年代の推定、精神状態の分析などが行える
- 書誌的価値:著者の直筆という希少性から文化財・学術資料として高い価値をもつ
日本の古典文学では、紫式部や藤原定家の自筆本と伝えられる写本が存在し、国宝・重要文化財に指定されているものもあります。ただし、著者自筆であると確実に証明することは難しく、「自筆本と伝わるもの」として慎重に扱われる場合も多くあります。
欧米の書誌学では「autograph manuscript(オートグラフ)」に相当し、ベートーヴェンやモーツァルトの楽譜自筆本など音楽分野でも重要な概念です。デジタル化によって自筆本の画像が公開されることも増え、研究へのアクセスが広がっています。
使い方・例文
「この写本は作者の自筆本とされており、文字の特徴から鎌倉時代の筆跡と一致する」のように使います。
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