聖俗二元論とは?
せいぞくにげんろん
聖俗二元論とは、世界を「聖なるもの」と「俗なるもの」という対立した二領域に分けて捉える宗教学・哲学的な概念です。
聖俗二元論は、宗教学者エミール・デュルケームやミルチャ・エリアーデらが体系化した概念で、人間の経験世界を「聖(サクレ)」と「俗(プロファン)」という根本的に異質な二つの領域に区分する考え方を指します。
エリアーデによれば、聖なるものとは「ヒエロファニー(聖なるものの顕現)」によって日常世界から際立ち、特別な力・意味・秩序を帯びた存在・場所・時間です。一方、俗なるものは日常的・世俗的・反復的な領域です。
この二元的構造はさまざまな形で宗教実践に現れます。
- 聖なる場所(神殿・聖地)と俗なる場所(市場・住居)の区別
- 聖なる時間(祭礼・安息日)と日常の時間の区別
- 聖なる人物(聖職者・シャーマン)と一般信者の区別
- 聖なる物(聖遺物・御神体)と日用品の区別
デュルケームはこの区分を宗教の本質と見なし、「宗教とは聖なるものに関する信念と実践の体系である」と定義しました。現代の世俗化論では、聖と俗の境界が薄れる現象が近代性の特徴として論じられています。また、この概念は宗教間比較研究の共通の枠組みとして広く使われています。
使い方・例文
神社の鳥居をくぐることで「日常空間(俗)」から「神聖な境内(聖)」へ移行するという感覚は、聖俗二元論的な空間区分の身近な例として紹介されます。
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