緩急針とは?
かんきゅうばり
緩急針とは、機械式時計においてひげぜんまいの有効長を変えることで歩度(精度)を調整するための小さな針状部品です。
緩急針(かんきゅうしん)は、機械式時計のムーブメント内に設けられた調速機構の一部で、ひげぜんまいの振動周期を微調整するために使われる部品です。時計が「進みすぎる」「遅れすぎる」といった精度の問題を解決するための調整手段として広く用いられてきました。
機械式時計の心臓部であるてんぷは、ひげぜんまいの伸縮によって一定リズムで振動し、歯車列を規則的に動かします。このひげぜんまいの有効な長さ(振動に寄与する部分の長さ)が長ければ周期が長くなって時計は遅れ、短ければ周期が短くなって進みます。緩急針はひげぜんまいの一部を挟み込む位置をずらすことで、この有効長を増減させます。
緩急針による調整には次のような特徴があります。
- 工具を使わず竜頭操作やドライバー微調整で対応できる場合がある
- 温度変化や姿勢差による歩度ズレを補正できる
- 調整幅は小さく、大きなズレには分解調整が必要
- フリースプラング方式ではこの機構を省いた設計もある
高精度を追求する時計師にとって緩急針の扱いは基本技術であり、時計整備(オーバーホール)後には必ず歩度テストと緩急針調整が行われます。
使い方・例文
「時計師は歩度計で測定した結果、1日あたり5秒の進みがあることを確認し、緩急針を「遅」方向に微量動かして調整した。」
この用語をシェア
最終更新: