牡丹餅釉とは?
ぼたもちゆう
牡丹餅釉とは、陶磁器の焼成中に器の一部に灰などが付着して溶け、まるで牡丹餅のような斑点状の釉調が偶然生まれる窯変現象のことです。
牡丹餅釉(ぼたもちゆう)は、陶磁器を焼成する際に窯の中で自然に生じる窯変(ようへん)の一種です。素地の一部に木灰や藁灰などが降り積もって溶け、そこだけ釉薬がかかったような丸い斑点状の模様が現れる現象を指します。その見た目が、きな粉をまぶした牡丹餅(おはぎ)に似ていることからこの名がつきました。
この現象は意図的に再現することも試みられますが、本来は偶発的な産物です。薪窯での長時間焼成では、燃焼で生じた灰が窯内を舞い、器の表面に付着します。高温になると灰がガラス化して釉薬と同様に溶け、冷えると釉溜まりのような光沢ある斑点として固まります。斑点の色は土の成分や灰の種類、焼成温度によって白・灰・緑・黒褐色など多様に変化します。
牡丹餅釉が現れやすい条件としては以下が挙げられます。
- 薪の燃焼量が多く灰が豊富な穴窯・登り窯での焼成
- 素地の凹凸が多く灰が溜まりやすい形状
- 長時間・高温の焼成
信楽焼や備前焼など日本の伝統的な焼締陶器に多く見られ、窯変の妙として茶人や陶芸愛好家に珍重されてきました。人工的には作れない偶然の造形美が最大の魅力です。
使い方・例文
穴窯で焼かれた信楽焼の花入れに、灰が溶けて固まったぽってりとした白い斑点が散らばっている様子を指して「牡丹餅釉が出ている」と表現します。
この用語をシェア
最終更新: