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熱塩循環とは?

ねつえんじゅんかん

熱塩循環とは、海水の温度と塩分濃度の差によって生じる地球規模の深層海洋循環で、気候調節に大きな役割を果たしています。

熱塩循環(ねつえんじゅんかん、Thermohaline Circulation)は、海水の温度(熱)塩分(塩)の違いによって生じる密度差を駆動力とする、地球規模の海洋循環です。「コンベアベルト循環」とも呼ばれ、表層と深層をつなぐ立体的な海水の流れを形成しています。

循環の仕組みは次のように説明できます。北大西洋などの高緯度地域では、冷却と蒸発による塩分濃度の上昇が重なり、海水密度が高まって海底へ沈み込みます。この冷たく重い深層水が南へ流れ、インド洋・太平洋を経由して上昇し、再び暖かい表層水として北へ戻ります。この一周にかかる時間は数百〜数千年とも言われています。

熱塩循環は地球の気候システムにおいて極めて重要な役割を担っています。

  • 熱帯の余剰熱を高緯度へ輸送し、ヨーロッパの温暖な気候を維持する
  • 深海への酸素・栄養塩の供給を通じて海洋生態系を支える
  • 大気中のCO₂を深海に取り込む炭素循環を媒介する

近年、地球温暖化による北極海の融氷が大量の淡水を供給し、海水の塩分濃度を低下させることで熱塩循環が弱まる懸念が指摘されています。循環の大幅な弱体化は西ヨーロッパの寒冷化など、急激な気候変動を引き起こす可能性があるとして、気候科学者が注視しています。

使い方・例文

気候変動の授業や報道で「大西洋の循環が弱まると欧州が寒冷化する」という話が出る際に熱塩循環という言葉が登場します。地球科学の教科書でも必ず扱われる基本概念です。

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