熱力学第三法則とは?
ねつりきがくだいさんほうそく
「法則」の用語まとめを見る熱力学第三法則とは、絶対零度に近づくにつれてエントロピーがゼロに収束するという熱力学の基本法則です。
熱力学第三法則は、「完全な結晶状態にある純粋物質のエントロピーは、絶対零度(−273.15℃)において正確にゼロになる」という原理です。20世紀初頭にドイツの化学者ヴァルター・ネルンストが提唱し、ネルンストの熱定理とも呼ばれます。
エントロピーとは系の乱雑さ・無秩序さを表す熱力学的な量です。温度が下がるにつれて粒子の熱運動は小さくなり、絶対零度に至ると理論上すべての粒子が最も秩序ある状態(エントロピー=0)に到達します。この法則は化学反応の自発性や平衡状態を理解するうえで重要な基盤を与えます。
実用上の重要な帰結として、絶対零度には有限の操作では到達できない(到達不可能性の原理)ことが挙げられます。温度を下げるたびに取り除くべきエントロピーがどんどん小さくなり、完全なゼロには決してたどり着けないのです。
熱力学第三法則は次の意義を持ちます。
- 絶対的なエントロピー値の基準点を与える
- 低温物理・超伝導の研究に理論的根拠を提供する
- 化学反応の標準エントロピー変化を算出できるようにする
- 物質の熱容量が絶対零度付近でゼロに近づくことを予測する
使い方・例文
液体ヘリウムを使った極低温実験で数ミリケルビンの温度を達成しようとするとき、熱力学第三法則が「これ以上冷やすことの困難さ」を説明するものとして引用されます。
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