沈殿滴定とは?
ちんでんてきてい
沈殿滴定とは、難溶性の沈殿を生じる反応を利用して試料中のイオンを定量する容量分析法のことです。
沈殿滴定(precipitation titration)とは、滴定試薬と被測定イオンが反応して難溶性の沈殿を形成することを利用し、終点を検出しながら試料中のイオン濃度を定量する容量分析法(滴定分析法)の一種です。
最も代表的な沈殿滴定はモール法(Mohr法)で、塩化物イオン(Cl⁻)を硝酸銀(AgNO₃)標準溶液で滴定します。指示薬としてクロム酸カリウムを用い、白色の塩化銀(AgCl)がすべて沈殿した後に、過剰の銀イオンがクロム酸イオンと反応してレンガ色のクロム酸銀沈殿を生じる点を終点とします。
主な沈殿滴定の方法には以下があります。
- モール法——Cl⁻・Br⁻の定量、指示薬:クロム酸カリウム
- フォルハルト法——Ag⁺の定量(逆滴定にも利用)、指示薬:鉄(III)アンモニウム明礬
- ファヤンス法——吸着指示薬(フルオレセイン等)を用いる方法
沈殿滴定の精度はpH・温度・共存イオン・沈殿の粒径などに影響を受けます。特に沈殿が共沈を起こしやすい条件では誤差が生じやすいため、試料前処理や測定条件の最適化が重要です。主な応用例として、海水・食品・土壌中の塩化物イオンの定量、銀製品の純度分析などがあります。
使い方・例文
食品中の食塩含有量を調べる際に、モール法の沈殿滴定が使われます。硝酸銀溶液を少量ずつ加えていき、溶液がレンガ色に変わった時点が終点となり、使用量から塩化物イオンの量を計算します。
この用語をシェア
最終更新: