本文へスキップ

栄養カスケードとは?

えいようかすけーど

栄養カスケードとは、食物連鎖の上位捕食者の増減が連鎖的に下位の生物や植生にまで影響を及ぼす生態系の連鎖反応のことです。

栄養カスケード(trophic cascade)は、食物網の上位に位置する捕食者が増減することで、その影響が中位の消費者を経由して植物や藻類などの一次生産者にまで波及する生態学的な連鎖反応を指します。「トップダウン制御」とも呼ばれます。

典型的な三段階のカスケードは次のように進みます。

  1. 頂点捕食者(例:オオカミ)が増加する
  2. 草食動物(例:シカ)が捕食圧で減少または行動を変える
  3. 植生(例:草や樹木)への採食圧が下がり、植物が回復・増加する

著名な事例として、米国イエローストーン国立公園へのオオカミ再導入(1995年)があります。オオカミが戻ったことでシカの行動が変わり、川岸の植生が回復し、川の侵食が減少して景観全体が変化しました。この現象は「恐怖の生態学」とも呼ばれます。

海洋でも栄養カスケードは観察されており、ラッコ→ウニ→コンブの関係が有名です。ラッコが減少するとウニが増加しコンブ林が破壊されますが、ラッコが回復するとコンブ林も戻ります。

栄養カスケードの概念は、大型捕食者の保護・絶滅危惧種の再導入・漁業管理など、生態系管理の実践においても重要な根拠となっています。

使い方・例文

イエローストーン国立公園では、オオカミの絶滅によりシカが増えすぎて植生が荒廃しましたが、オオカミの再導入後にシカの移動パターンが変わり、河畔の樹木が回復して川の形状までが変化した事例が栄養カスケードの代表例として広く知られています。

この用語をシェア

𝕏 でポスト LINE

最終更新:

関連用語