束とは?
そく
束とは、任意の二元素に対して最小上界(上限)と最大下界(下限)が必ず存在する半順序集合のことです。
束(lattice、ラティス)とは、順序理論・集合論における代数的構造の一つで、「任意の二つの要素a, bに対して、上限(join, sup)と下限(meet, inf)がともに一意に存在する」半順序集合のことです。上限は a∨b(aとbの結び)、下限は a∧b(aとbの交わり)と書きます。
束は半順序集合としての定義(順序論的定義)と、代数的な演算∨と∧を持つ代数系としての定義(代数的定義)の二通りで同等に定式化できます。代数的定義では、∨と∧が以下の法則を満たすことを要求します。
- 交換律:a∨b=b∨a、a∧b=b∧a
- 結合律:(a∨b)∨c=a∨(b∨c)、(a∧b)∧c=a∧(b∧c)
- 吸収律:a∨(a∧b)=a、a∧(a∨b)=a
身近な束の例としては、自然数の集合を約数関係(a∣b)で順序付けたもの(上限がLCM、下限がGCD)や、集合族を包含関係で順序付けたもの(上限が和集合、下限が共通部分)があります。
束には様々な種類があり、分配律が成り立つ分配束、補元が存在する補元束、最小元と最大元が存在する有界束などが重要です。ブール代数は分配束かつ補元束の特殊例です。束の理論はコンピュータ科学(プログラム解析・意味論)、論理学、代数学で広く応用されます。
使い方・例文
整数の集合を「約数である」という関係で順序付けると束になります。たとえば6と4の上限はLCM(最小公倍数)の12、下限はGCD(最大公約数)の2です。ソフトウェアの静的解析ツールにも、束を利用したデータフロー解析が組み込まれています。
この用語をシェア
最終更新: