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持続時間の無視とは?

じぞくじかんのむし

持続時間の無視とは、物事の長さや続いた時間よりも、体験のピーク時と終わり際の印象が記憶や評価を左右するという認知のゆがみです。

持続時間の無視(Duration Neglect)とは、ある体験や出来事が実際にどれだけ長く続いたかが、その後の評価記憶にほとんど影響しないという認知バイアスのことです。行動経済学者のダニエル・カーネマンらによる研究で広く知られるようになりました。

人間の記憶と評価は、体験の「ピーク(最も強い感情の瞬間)」と「終わり(終了時の感情)」の二点に大きく左右されます。これをピーク・エンドの法則と呼びます。持続時間の無視はこの法則と表裏一体の関係にあります。

たとえば、同じ不快な体験でも次のように評価が変わります。

  • 短時間だが強い痛みが続くケースと、長時間だが最後に痛みが和らぐケースでは、後者のほうがよかったと評価されやすい
  • 楽しいイベントも、最後の印象が悪ければ全体の記憶が低く評価される傾向がある

この現象は医療・マーケティング・公共政策などの分野で重要な示唆をもたらしています。たとえば、医療処置の終わりに不快感を減らす工夫をするだけで、患者の体験評価が改善されることが実験で示されています。持続時間の無視は、私たちが「経験する自己」と「記憶する自己」を持つという二重構造から生じると説明されています。

使い方・例文

映画館で2時間の映画を観た際、途中は退屈でも最後のクライマックスが感動的だと「良い映画だった」と記憶されやすい。これが持続時間の無視の典型例です。

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