持続とは?
じぞく
持続とは、アンリ・ベルクソンが提唱した哲学概念で、時計で測れる均質な時間ではなく、意識が直接経験する流れゆく時間の質的な連続性を指します。
持続(durée)は、フランスの哲学者アンリ・ベルクソンが主著『時間と自由』(1889年)をはじめとする著作で展開した哲学的概念です。ベルクソン哲学の核心をなす概念として知られています。
ベルクソンが問題にしたのは、近代科学が時間を空間化・数量化してしまっているという点です。時計の文字盤の上に1・2・3と並ぶ目盛りは空間的に均質に配置されており、科学が扱う時間はこのように各瞬間が外側から並べられた「空間化された時間」にすぎません。しかし実際に私たちが生きて経験する時間は、そのような均質な「入れ物」ではありません。
持続とは、意識が内側から直接経験する時間の流れです。その特徴は次のとおりです。
- 質的な連続性:過去の経験が現在に溶け込み、互いに浸透し合いながら変容する
- 不可逆性:持続は逆戻りできない一方向の流れであり、過去の瞬間を同一のまま再現することはできない
- 創造性:持続の中では新しいものが絶えず生み出され、未来は予測可能なものとして前もって決まっているわけではない
ベルクソンはこの持続の概念を生命論(エラン・ヴィタル)・記憶論・知覚論へと展開させました。持続の哲学は、プルーストの文学、フッサールの時間意識の現象学、さらには現代の時間論・意識研究に深い影響を与えています。
使い方・例文
「好きな音楽を聴いているときは時間があっという間に過ぎ、退屈なときは長く感じる」という経験を哲学的に説明するとき、「これはベルクソンの持続の議論に通じる」と言及されます。
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