形質置換とは?
けいしつちかん
形質置換とは、近縁な2種が共存する地域でのみ形質の違いが強調される進化的現象のことです。
形質置換(Character Displacement)は、生態学・進化生物学の概念で、近縁な2種が同じ地域に共存(同所的に生息)する場合に、競争を回避するために両種の形質(体の形・大きさ・食性など)が互いに異なる方向へ進化する現象です。
この現象のメカニズムは種間競争に基づいています。同じ資源(食物・生息場所など)をめぐって競争する2種が共存する場合、競争が激しいほど適応度が下がります。そのため、形質をずらして競争を減らす個体の方が有利になり、自然選択によって世代を重ねるうちに形質の差異が拡大していきます。
形質置換の代表的な例として、ガラパゴス諸島のダーウィンフィンチ類があります。複数の近縁種が同じ島に共存する場合はくちばしの大きさが大きく異なり、それぞれが異なる種類の種子や昆虫を食べることで競争を回避しています。一方、別々の島に単独で生息する同種は中間的な形質をとる傾向があります。
形質置換には生態的形質置換のほかに、交配を避けるための生殖的形質置換も知られています。生殖的形質置換では、異種との交配(交雑)が適応度を低下させる場合に、求愛ディスプレイや体の色模様などの生殖に関わる形質が共存地域で強調されます。
使い方・例文
ガラパゴスのフィンチで、同じ島に2種が共存する場合のみくちばしサイズが大きく異なる現象は、形質置換の典型例として教科書で広く紹介されています。
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