形態形成場とは?
けいたいけいせいば
形態形成場とは、発生の過程で細胞が自分の位置情報を読み取り、適切な形と構造を形成するよう指示を受ける組織領域のことです。
形態形成場(Morphogenetic Field)とは、発生生物学における概念で、胚の中でひとまとまりの組織単位として協調しながら特定の構造を形成する細胞集団、およびその空間的な情報場を指します。場内の各細胞は、全体の中での自分の位置を認識し、その位置に応じた分化や形態形成を行います。
この概念は20世紀初頭に発生学者たちによって提唱されました。場の中の一部の細胞を除去したり移植したりしても、残りの細胞が調整して正常な構造を再構築できることがあり、場全体としての可塑性が注目されました。
形態形成場の仕組みには、形態形成素(モルフォゲン)と呼ばれるシグナル分子が深く関わっています。モルフォゲンは細胞から分泌されて濃度勾配を形成し、周囲の細胞はその濃度に応じて異なる遺伝子を発現させます。これにより位置情報が生化学的に伝達されます。
- 脊椎動物の肢(手足)の形成を制御するZPA(極性化活動領域)
- ショウジョウバエの翅の形成を導くDpp(デカペンタプレジック)シグナル
- 脊椎動物の背腹軸を決定するWntやBMPシグナル経路
形態形成場の概念は現代のシステム生物学や再生医療にも引き継がれており、幹細胞からオルガノイドを作製する際の空間的秩序の理解にも応用されています。
使い方・例文
イモリやプラナリアが切断された体を再生できるのは、残存する細胞が形態形成場の位置情報を保持しているためと考えられており、再生医療研究の手がかりとして注目されています。
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