定言命法とは?
ていげんめいほう
定言命法とは、カントが提唱した道徳の最高原理で、条件なしに「〜せよ」と命じる無条件の義務の形式です。
定言命法(ていげんめいほう、Kategorischer Imperativ)とは、イマヌエル・カントが道徳哲学の中心に据えた概念で、いかなる条件や目的にも依存せず、それ自体として無条件に従うべき道徳の命令形式です。『道徳形而上学原論』(1785年)で体系的に論じられました。
カントは命令を二種類に分けました。「〜したければ、〜せよ」という仮言命法(条件付き命令)に対し、定言命法は「〜せよ」と無条件に命じます。道徳的義務は後者の形式をとるとカントは主張します。
定言命法の代表的な定式は以下の三つです。
- 普遍法則の定式:「あなたの行動の格率が普遍的な法則になることを同時に意志できるように行為せよ」
- 人格の定式:「人間性を、自分においても他人においても、常に手段としてのみならず同時に目的として扱うよう行為せよ」
- 自律の定式:理性的存在者が自らに法則を与えることができるという自律の原理
定言命法は現代の人権思想・職業倫理・医療倫理に深く影響しており、「人を手段として扱ってはならない」という原則として広く共有されています。
使い方・例文
「嘘をつくことが誰にとっても普遍的なルールになれるか」と問い、なれないなら嘘はいけないと判断するのが、定言命法の普遍法則の定式を適用した倫理的推論の例です。
この用語をシェア
最終更新: