塗り師とは?
ぬりし
塗り師とは、漆器の製造において漆を塗る工程を専門に担う職人のことで、漆工芸の仕上がりを左右する重要な役割を持ちます。
塗り師(ぬりし)とは、漆器(しっき)の製造工程において、木地や下地に漆を塗る作業を専門とする職人を指します。漆器は木工・下地・塗り・蒔絵(まきえ)・研ぎなど多くの工程に分かれており、塗り師はそのなかでも漆を扱う中核的な担い手です。
漆塗りの工程は単純に見えて非常に繊細で高度な技術を要します。漆は空気中の水分と反応して固化(酸化重合)する天然樹脂であり、温度・湿度を精密に管理した環境でなければ良質な塗面を得ることができません。塗り師は下塗り・中塗り・上塗りの各段階で異なる種類の漆を使い分け、砥石や和紙で研ぎながら重ねていく「重ね塗り」の技法を駆使します。
塗り師の仕事の特徴は以下のとおりです。
- 下塗り・中塗り・上塗りの段階的な漆の重ね塗り
- 気温・湿度を管理した漆風呂(乾燥室)での硬化作業
- 研ぎ出しによる平滑な塗面の形成
- 流派や産地ごとに異なる塗り技法(輪島塗・会津塗・越前塗など)の継承
輪島塗や会津塗など日本各地の漆器産地では、塗り師は地域の伝統産業を支える存在として伝統工芸士の認定制度のもとで技術の継承が図られています。後継者不足が課題となっている産地も多く、伝統技術の保存と普及が喫緊の課題となっています。
使い方・例文
輪島塗の産地では、木地師・下地師・塗り師・蒔絵師といった職人が分業体制で一点の漆器を仕上げており、塗り師はその中心的な工程を担います。
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