善本とは?
ぜんぽん
善本とは、書写や印刷の誤りが少なく、内容が正確で信頼性が高い優れた写本・刊本のことを指す書誌学上の用語です。
善本(ぜんぽん)とは、書誌学・文献学において、原典に忠実で誤写・誤刻が少なく、学術的・資料的価値が高い写本や版本(刊本)を指す言葉です。「良本」とも呼ばれることがあります。
活版印刷が普及する以前は、書物はすべて手で書き写して伝えられました(写本)。この過程で文字の誤り・脱落・改変が生じることは避けられず、同じ書物でも写本によって内容が異なる場合がありました。そのため、より古い時代に書かれた写本や、信頼できる底本をもとに丁寧に書き写された写本は「善本」として高く評価されました。
善本の条件として一般的に挙げられる要素は次のとおりです:
- 書写・印刷の年代が古く、原典に近い
- 誤字・脱字・改ざんが少ない
- 書写者または刊行者の信頼性が高い
- 本文の校訂が行き届いている
- 保存状態が良好で、文字・紙面が判読しやすい
文献研究においては、善本を底本(テキストを確定する際の基準となる資料)として用い、複数の写本を比較・校合(きょうごう)することで、より正確な原文の復元が行われます。日本・中国の古典籍研究において善本の同定は非常に重要な作業であり、国立国会図書館や大学図書館には多くの善本が所蔵されています。
使い方・例文
古典文学の研究では、現存する複数の写本の中から最も誤りが少なく古い時代に書かれたものを善本として選定し、それを底本に本文を確定する「校訂」作業が行われます。善本の発見が研究に大きな影響を与えることもあります。
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