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原子移動ラジカル重合とは?

げんしいどうらじかるじゅうごう

原子移動ラジカル重合とは、分子量や構造を精密に制御しながらポリマーを合成できる「リビングラジカル重合」の代表的な手法のことです。

原子移動ラジカル重合(げんしいどうラジカルじゅうごう、ATRP: Atom Transfer Radical Polymerization)とは、遷移金属触媒(主に銅錯体)を用いて活性なラジカル種の濃度を極めて低く保ちながら重合を進める、精密高分子合成の手法です。1995年に複数の研究グループによって独立して開発されました。

仕組み
ATRPでは、有機ハロゲン化物(開始剤)と遷移金属触媒が繰り返し電子のやり取り(原子移動)を行います。

  • 触媒が開始剤からハロゲン原子を引き抜き、ラジカルを発生させる(活性化)
  • そのラジカルがモノマーと反応して鎖を伸長する
  • ハロゲン原子が再び鎖末端に戻り、ラジカルを休止させる(不活性化)
この活性化と不活性化の平衡が高速で繰り返されることで、ラジカル濃度が常に低く保たれ、連鎖移動や終止反応が抑制されます。

ATRPの特徴と利点

  • 分子量と分子量分布(PDI)を精密に制御できる
  • ブロック共重合体・スターポリマーなど複雑な構造を設計できる
  • 汎用性が高く多様なビニルモノマーに適用可能
  • 末端官能基を自在に設計できる

応用と課題
ドラッグデリバリー材料・表面修飾・自己組織化材料など先端材料分野への応用が広がっています。一方で触媒(銅)の除去や酸素除去操作が必要なため、工業的な大量生産には改良が進められています。

使い方・例文

ATRPは医薬品を包む高分子ナノ粒子の設計や、撥水・防汚コーティング材料の開発など、機能性材料の合成手法として研究現場で広く用いられています。

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